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Chapter 106 of 122

正法眼藏第三 袈裟功徳 · 6

諸佛稱讃爲良田(諸佛稱讃して良田と爲したまふ)、

利樂郡生此爲最(郡生を利樂するには此れを最れたりと爲す)。

袈裟神力不思議(袈裟の神力不思議なり)、

能令修植菩提行(能く菩提の行を修植せしむ)。

道芽増長如春苗(道の芽の増長することは春の苗の如く)、

菩提妙果類秋實(菩提の妙果は秋の實に類たり)。

堅固金剛眞甲冑(堅固金剛の眞甲冑なり)、

煩惱毒箭不能害(煩惱の毒箭も害すること能はず)。

我今略讃十勝利(我今略して十勝利を讃む)、

歴劫廣説無有邊(歴劫に廣説すとも邊あること無けん)。

若有龍身披一縷(若し龍有りて身に一縷を披せば)、

得脱金翅鳥王食(金翅鳥王の食を脱るることを得ん)。

若人渡海持此衣(若し人海を渡らんに、此の衣を持せば)、

不怖龍魚諸鬼難(龍魚諸鬼の難を怖れじ)。

雷電霹靂天之怒(雷電霹靂して天の怒りあらんにも)、

披袈裟者無恐畏(袈裟を披たる者は恐畏無けん)。

白衣若能親捧持(白衣若し能く親しく捧持せば)、

一切惡鬼無能近(一切の惡鬼能く近づくこと無けん)。

若能發心求出家(若し能く發心して出家を求め)、

厭離世間修佛道(世間を厭離して佛道を修せば)、

十方魔宮皆振動(十方の魔宮皆な振動し)、

是人速證法王身(是の人速やかに法王の身を證せん)。

この十勝利、ひろく佛道のもろもろの功徳を具足せり。長行偈頌にあらゆる功徳、あきらかに參學すべし。披閲してすみやかにさしおくことなかれ。句句にむかひて久參すべし。この勝利は、ただ袈裟の功徳なり、行者の猛利恆修のちからにあらず。

佛言、袈裟神力不思議。

いたづらに凡夫賢聖のはかりしるところにあらず。

おほよそ速證法王身のとき、かならず袈裟を著せり。袈裟を著せざるものの法王身を證せること、むかしよりいまだあらざるところなり。その最第一淸淨の衣財は、これ糞掃衣なり。その功徳、あまねく大乘小乘の經律論のなかにあきらかなり。廣學諮問すべし。その餘の衣財、またかねあきらむべし。佛佛祖祖、かならずあきらめ、正傳しましますところなり、餘類のおよぶべきにあらず。

中阿含經曰(中阿含經曰く)、

復次諸賢、或有一人、身淨行、口意不淨行、若慧者見、説生恚惱、應當除之(復た次に諸賢、或し一人有りて、身淨行、口意不淨行ならんに、若し慧者見て、説し恚惱を生ぜば、應當に之を除すべし)。

諸賢或有一人、身不淨行、口淨行、若慧者見、説生恚惱、當云何除(諸賢、或し一人有りて、身不淨行、口淨行ならんに、若し慧者見て、説し恚惱を生ぜば、當に云何が除くべき)。

諸賢猶如阿練若比丘、持糞掃衣、見糞掃中所棄弊衣、或大便汚、或小便洟唾、及餘不淨之所染汚、見已、左手執之、右手舒張、若非大便小便洟唾、及餘不淨之所汚處、又不穿者、便裂取之。如是諸賢、或有一人、身不淨行、口淨行、莫念彼身不淨行。但當念彼口之淨行。若慧者見、設生恚惱、應如是除(諸賢、猶ほ阿練若比丘の如き、糞掃衣を持ち、糞掃の中の所棄の弊衣の、或いは大便に汚れ、或いは小便洟唾、及び餘の不淨に染汚せられたるを見んに、見已りて、左の手に之を執り、右の手に舒べ張りて、若し大便小便洟唾、及び餘の不淨に汚さるる處に非ず、又穿げざる者をば、便ち裂きて之を取る。是の如く諸賢、或し一人有りて、身不淨行、口淨行ならんに、彼の身の不淨行を念ふこと莫れ。但だ當に彼の口の淨行を念ふべし。若し慧者見て、設し恚惱を生ぜば、應に是のの如く除くべし)。

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正法眼藏第三 袈裟功徳 · 6 · Shōbōgenzō (Treasury of the True Dharma Eye) — Dōgen · The Conscious Library