Chapter 91 of 122
正法眼藏第七十二 安居 · 6
當時好一場佛事(當時好一場の佛事なり)。
可惜放過一著(惜しむべし、一著を放過せることを)。
待釋迦老子道欲擯阿那箇文殊、便與撃一槌看、他作什麼合殺(釋迦老子の阿那箇の文殊をか擯せんとすると道せんを待つて、便ち撃一槌を與へて看るべし、他什麼の合殺をか作す)。
圜悟禪師頌古云、
大象不遊兔徑(大象は兔徑に遊ばず)、
燕雀安知鴻鵠(燕雀安くんぞ鴻鵠を知らん)。
據令宛若成風(據令宛も風を成すが若し)、
破的渾如囓鏃(破的渾て鏃を囓むが如し)。
徧界是文殊(徧界是れ文殊)、
徧界是迦葉(徧界是れ迦葉)、
相對各儼然(相對しておのおの儼然たり)。
擧椎何處罰好一箚(擧椎何れの處か罰せん好一箚)、
金色頭陀曾落却(金色の頭陀曾て落却せり)。
しかあればすなはち、世尊一處安居、文殊三處安居なりといへども、いまだ不安居あらず。もし不安居は、佛及菩薩にあらず。佛祖の兒孫なるもの安居せざるはなし、安居せんは佛祖の兒孫としるべし。安居するは佛祖の身心なり、佛祖の眼睛なり、佛祖の命根なり。安居せざらんは佛祖の兒孫にあらず、佛祖にあらざるなり。いま泥木、素金、七寶の佛菩薩、みなともに安居三月の夏坐おこなはるべし。これすなはち住持佛法僧寶の故實なり、佛訓なり。
おほよそ佛祖の屋裏人、さだめて坐夏安居三月、つとむべし。
正法眼藏第七十二
爾時寛元三年乙巳夏安居六月十三日在越宇大佛寺示衆
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